高所作業車の選び方
高所作業車の主な種類とは?
高所作業車には主に7つのタイプがあります:
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低床作業車(Low-Level Accessプラットフォーム) 屋内の軽作業に最適です。コンパクトで軽量なため、床面に優しく、ほとんどの場所で使用可能です。操作が簡単で、広めの作業床を備えており、作業員が工具や材料を持ち運べるため、地上と作業場所を往復回数を軽減します。梯子や足場に代わる、安全で簡便な選択肢です。「自走式」モデルでは、高所でも走行可能です。
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プッシュアラウンド(Push-aroundプラットフォーム) あらゆる屋内作業に適しています。軽量で、床面に優しく、手動での移動やトレーラー・バンでの牽引も可能です。ノンマーキングタイヤとゴム製のアウトリガーで床を保護し、コンパクトな設計により、ドアやエレベーターの通過も容易です。メンテナンスが少なく、コストパフォーマンスにも優れています。
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垂直マスト作業車(Vertical Mastプラットフォーム) 狭い場所での機動性に優れたモデルです。コンパクトなサイズとACモーター、垂直昇降機能により、屋内外の平坦な地面での高所作業時でも簡単に操作可能です。プラットフォームの延長により作業範囲が広がり、アクセスが困難な場所への到達も可能です。ジブ付きモデルでは、障害物越しに作業が可能で、後方超小旋回により取り回しが容易です。小売業や物流作業には、電動の荷物トレー付きピッキングモデルもあります。
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シザーリフト(Scissor Lift)アームが交差して「はさみ状」に動く構造が特徴で、垂直方向にのみ昇降します。
2つのカテゴリに分けられます:
平地用(電動シザーリフト): 安定した地面や床で使用され、ディーゼルタイプよりコンパクトです。屋内外で使用可能で、多くのモデルが最大積載重量でも高所での走行が可能です。
不整地用(オフロード対応): 大型のプラットフォームを備え、他のタイプよりも高い積載能力があります。最大4人の作業員が乗れるモデルもあり、延長プラットフォームにより作業範囲が広がります。直線的な昇降により操作が簡単で、傾斜補正機能付きのアウトリガーで安定性を確保します。電動モーター搭載モデルでは、ディーゼルに代わる静かで排気ガスの出ない屋内外作業が可能です。 -
直伸式ブームリフト(Telescopic Boom Lift) 単一軸での真っすぐな昇降が可能で、操作が非常に簡単です。水平リーチが最も長く、最高到達高も他機種を上回ります。優れた不整地走破性により、オフロードでも使用でき、同時かつ比例制御によって高い安定性と精密な操作性、安全性を提供します。
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軽量牽引式および自走式高所作業車 トラックやバンで牽引可能で、現場間の移動が容易なため、非常に実用的なソリューションです。電動駆動で、屋内外の両方で使用可能。アウトリガーを使えば、不整地でも安定して作業できます。
高所作業車の選び方:どのような選定基準があるか?
高所作業車を選ぶ際には、主に4つの基準を考慮する必要があります:
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作業高さ 作業を行う高さに応じて、それに相当する、もしくは少し高めの作業高を持つ機種を選びます。また、必要となる最大水平リーチも忘れずに考慮しましょう。
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作業の種類 作業内容に応じて、適したタイプの高所作業車を選定する必要があります。例えば、屈伸ブームリフトは、アクセスが困難な場所や狭い場所での作業に適しています。一方、直伸式ブームリフトは、屈伸よりも水平リーチが長く、高所かつ遠方への作業に向いています。オフロード対応のシザーリフトは、大型の作業床を備えており、多くの機材や工具を積載できます。垂直マストリフトは、屋内でのメンテナンス作業に最適です。さらに、出入り口の寸法や最大積載荷重など、現場の条件も重要な選定基準です。
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地面の状態 使用場所の地面状態も非常に重要です。不整地で使用する場合は、ディーゼルまたは電動のオフロード対応モデルが必要です。平地では、すべての電動タイプが使用可能です。また、屋内専用の機種もあるため、使用環境に応じた確認が不可欠です。
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最大積載荷重 作業床に載せる作業員の人数と、使用する工具や材料の合計重量を支えられるかどうかを確認する必要があります。特に材料を運ぶ場合、作業バスケット内のスペースを有効活用するために、パイプラックやガラス運搬用キットなどの追加オプションにも注目すると良いでしょう。
高所作業車の作業範囲図(レンジダイアグラム)の読み方と理解の仕方
作業範囲(ワーキングエンベロープ)の理解
作業範囲は、一般的に「レンジダイアグラム(作業範囲図)」と呼ばれるチャートで表されます。これは高所作業車を使用する際に不可欠なグラフィック情報です。通常、この図は作業車のオペレーターマニュアル(バスケットに取り付けられている書類ボックス内)に記載されています。
一部の機種では、この図がバスケット内のプレートに直接印刷されており、運転中やアプローチ時にも一目で確認できるようになっています。作業範囲図は、作業車の動作可能な範囲を2次元で示したもので、一般的には弧を描いた形状をしています。高さ、リーチ、角度を視覚的に把握でき、アクセス可能な位置や張り出し能力を判断しやすくなっています。機種によっては、最大積載重量などの重要な情報もこのチャートに含まれている場合があります。
レンジダイアグラムの重要性
この情報は、機種選定時および実際の使用時の両方で非常に重要です。
例えば、「重い荷物をバスケットに載せたまま最大の水平リーチが必要な作業」には、この2つの条件(荷重とリーチ)をレンジダイアグラムで事前に確認することが不可欠です。この確認によって、当初想定していたよりも高作業高のモデルを選ぶ必要がある場合もあります。
実際の運用時にも、オペレーターは作業開始前にこの図を必ず確認し、作業の安全性と効率性を確保する必要があります。ほとんどの高所作業車は、レンジダイアグラムの限界に達すると、自動的に動作を停止(昇降・伸縮の制限)するよう設計されています。このとき、操作パネルに警告灯が表示されます。どの機種であっても、これらのアラートを無視しないことが極めて重要です。
作業範囲の違いに関する注意点
外見が似ている2つの高所作業車であっても、作業範囲図が異なる場合があります。これは、**機械設計の違い(使用材料、カウンターウェイトの位置、内蔵システムや技術革新など)**によるものです。
異なるメーカーの機種をレンタルする場合には、過去の経験や見た目に頼らず、必ずレンジダイアグラムを確認することが重要です。また、一部の機種では、作業範囲が規則的な弧状であるのに対し、他の機種ではのこぎり状(ジグザグ形)になっており、その場合、アームの再収納や位置変更が必要になります。
特殊な作業範囲の機能
一部の高所作業車は、マイナス方向(地面より下方向)への作業範囲を備えており、橋梁点検、採掘、土木作業などに非常に便利です。
建設現場で直面する課題(大きな移動距離、傾斜地での作業、重いバスケット荷重)に対応するため、各メーカーは革新的なオプションや技術開発を進めています。たとえば、Haulotte社は2024年にHaulotte Extra Reachという技術を発表し、最大6度(縦・横方向)の傾斜地で作業を継続しながら、バスケットの積載能力を拡張できる機能を実現しました。また、「ダブル荷重」対応の作業範囲図を持つ機種もあり、バスケットの荷重に応じて2種類の作業範囲が切り替わるよう設計されています。
作業範囲図の確認場所
レンジダイアグラム(作業範囲図)は、以下の場所で確認できます:
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機械のユーザーマニュアル(取扱説明書)
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技術資料ライブラリ
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バスケット内の印刷されたマニュアル
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機械本体に貼付されたプレートまたはステッカー
これらのチャートを事前に確認することは必須であり、メーカーの安全ガイドラインに従った使用を確保するために極めて重要です。
チェックリスト:重要ポイントまとめ
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作業範囲図の形式:高さ・リーチ・角度を2Dで表現
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重要性:適切な機種選定と安全作業のために不可欠
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バリエーション:曲線の形状(弧状/のこぎり状)の違いに注意
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特殊機能:マイナス方向作業やダブル荷重対応などの追加機能
高所作業車はどのように作動するのか?
高所作業車は、車輪またはクローラー付きのシャーシ、アーム、マスト、またはシザー機構から構成されており、油圧式リフトシステムによって作業用プラットフォーム(作業台)を上下に移動させ、人員を高所に運ぶための機械です。高所作業車を使用することで、作業員は狭い場所や高所に安全かつ効率的にアクセスでき、さまざまな作業を行うことが可能となります。プラットフォームのシャーシは機械全体の構造を支える基盤となっており、リフト機構は作業員を高所へ移動させる機能を担います。作業台(バスケット)には**ガードレール(安全柵)**が標準装備されており、作業員の安全を確保します。モデルによっては、絶縁機能を備えたバスケットもあり、高所での作業中における感電リスクから作業員を保護するために役立ちます。
高所作業車には、用途や作業環境に応じてさまざまな種類があります。
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電動式またはディーゼル式高所作業車:電動式が好まれるのはどんな時?
ディーゼル式高所作業車は、レンタル会社によって多く保有されており、**市場全体の約70%**を占めています(※特にオフロード対応の直伸式機種に関する統計)。日常的に高所作業車を使用している作業者の多くは、ディーゼルモデルに慣れています。しかしながら、特定の作業環境や現場条件によっては、電動式モデルでなければ対応できないケースも存在します。以下では、電動式高所作業車が最適な選択肢となるシナリオをいくつか紹介します。
電動式/ディーゼル式/ハイブリッド式の高所作業車の違いとは?
作業環境に応じて、電動式・ディーゼル式・ハイブリッド式のいずれかを選択することが重要です。
以下に、それぞれのモデルの主な特徴を示します。
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電動式高所作業車 燃料を使わず、モーターは100%電動で、バッテリーによって駆動します。そのため、エンジン音が非常に静かで、作業音を気にする必要のある屋内や都市部の現場に最適です。さらに、CO₂排出がゼロであるため、環境規制やエコ建設基準にも対応可能です。ただし、課題としてはバッテリー容量が挙げられます。エネルギー貯蔵技術の革新により、バッテリーは軽量化・高性能化が進んでいますが、一回の充電で稼働できる時間は、ディーゼル車の燃料満タン時の作業時間には及ばないのが現状です。
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内燃機関式(ディーゼル/HVO)高所作業車 主に屋外での作業に適しており、**ディーゼルエンジンまたはHVO(加水素処理植物油/バイオ燃料)**を搭載しています。長時間稼働できることが大きなメリットですが、排気ガスによる環境負荷や騒音が大きく、作業員や周囲の人々への影響が懸念される場合があります。
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ハイブリッド式/デュアル燃料高所作業車 屋内外両方に対応可能な汎用性の高いモデルです。通常、内燃機関(ディーゼルまたはガソリン)とバッテリー駆動の電動システムの2つのエネルギー源を搭載しており、現場に応じて自動または手動で切り替え可能です。環境条件が頻繁に変化する現場や、移動が多く作業時間の確保が重要な現場に適しています。Haulotte(ホロット)社のPULSEO(パルセオ)シリーズでは、不整地対応の電動モデルに加え、レンジエクステンダーと呼ばれる着脱式の発電機オプションを提供しています。これにより、電源が確保できない建設現場でも柔軟かつ自立的に運用できるよう設計されています。
どのような建設現場で電動式高所作業車を選ぶべきか?
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低排出ゾーン(LEZ:Low Emission Zones)内の建設現場 低排出ゾーン(LEZ)は、大気の質を改善するために行政機関によって導入される規制区域です。これらのゾーンは、特に大都市や人口密集地域における公衆の健康を守ることを目的としています。ヨーロッパでは、320以上のLEZが存在し、いずれも地域住民の健康と環境保全を目的としています(※2024年 フランス環境省のデータより)。北ヨーロッパの一部の建設現場では、すでに排気ガスを出す機械の使用が禁止されている場合もあります。今後、国際的な気候変動対策に基づき、こうした規制はますます厳格化されると予想されます。そのため、LEZ内では排出ガスを出さない電動式またはハイブリッド式の高所作業車が最適です。これらの機械はVOC(揮発性有機化合物)やNOx(窒素酸化物)を排出しないため、人口密集地においても大きな利点があります。
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都市部の夜間作業現場 都市中心部での夜間作業では、騒音に関する厳しい制限が課されることがあります。作業機械が発生する音量は、作業の種類、時間帯、周辺住民との距離、地域の人口密度などを考慮して定められます。電動式高所作業車は静音性に優れているため、こうした条件をクリアし、安全かつ効率的に作業を行うことが可能です。周辺住民や作業者にとっても、騒音公害を最小限に抑えられる点が大きなメリットです。
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公共施設・歩行者天国・空港など、共用空間での屋内作業 ショッピングモールや空港、歩行者専用道路などの現場では、排出ガスゼロ・低騒音が求められます。電動式高所作業車は両方の要件を満たしており、公共施設や重要インフラにおける作業にも最適です。一般市民と近接して作業を行う必要がある環境下でも、安全かつ円滑に作業が行えます。
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グリーンラベル付き現場や内燃機関が禁止された地域 環境配慮型建設プロジェクトや、自然保護区などの内燃機関が使用禁止となっているエリアでは、環境負荷の低い電動式作業車が唯一の選択肢です。ゼロエミッション、低騒音を兼ね備えた電動式高所作業車は、こうした厳格な環境基準にも適合しながら、高い作業性能を維持できます。
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屋内外の現場に対応する「PULSEO」シリーズ Haulotte社のPULSEO(パルセオ)シリーズは、屋内外どちらの作業環境にも対応可能な電動式高所作業車です。このシリーズでは、電動とディーゼルの両方の利点を融合し、現場の要件に応じて柔軟に対応できます。例えば、室内では静音かつ排出ゼロで作業を行い、屋外では長時間の作業にも対応。PULSEOシリーズの機体は、充電方式を簡単に切り替えることができるため、非常に使い勝手に優れています。
電動 or ディーゼル:どちらを選ぶ?
電動式高所作業車は、都市部・夜間・屋内・グリーン認証現場など、環境条件や騒音制限が厳しい現場に特に適しています。一方、ディーゼル式は、長時間の作業や電源が確保できない大規模な建設現場において、依然として信頼性の高い選択肢です。また、**ハイブリッドモデル(PULSEOなど)**は、両者のメリットを兼ね備えた最高の柔軟性を提供します。HaulotteのPULSEOシリーズでは、着脱可能な「レンジエクステンダー(補助発電機)」を搭載しており、電源のない現場でも3時間で80%の充電が可能。充電中も機械の全機能が利用可能で、現場作業を中断せずに進められます。
このような機械をプロジェクトに導入することで、作業効率の向上だけでなく、環境への配慮や作業者・周辺住民の快適さにも大きく貢献できます。
高所作業車(チェリーピッカー)の価格はいくら?
高所作業車の価格は、機械のサイズによって大きく異なります。低所作業用のモデルであれば、2,500ユーロ(約28.5万円)未満で購入可能なものもあります。一方で、高所対応の大型モデルでは、**100万ユーロ(約1億1,400万円)**に達することもあります。
高所作業車はどうやって運搬するの?
高所作業車(チェリーピッカーやブームリフト)の運搬は、慎重さと安全性が重要です。輸送にあたっては、専門の運送会社またはロジスティクスのプロフェッショナルに依頼することを推奨します。
輸送前には、必ずモデルごとの取扱説明書(オペレーターマニュアル)で輸送に関する指示を確認してください。可能であれば、作業バスケットは水平な状態でトレーラー床面に設置して輸送します。最適な作業車とトレーラーの組み合わせを選定するためには、取扱説明書を参照して、バスケットを安全な位置に配置する必要があります。
高所作業車を輸送するための3つの基本ステップ:
ステップ1:トラックまたはトレーラーへの固定
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ターンテーブル回転ロックピンを使用して、作業中の移動を防ぎます
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キーを「オフ」の位置にして、鍵を抜いた状態で輸送します
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機体全体を確認し、緩んだ部品や未固定のコンポーネントがないか確認します
例:輸送の動画
ステップ2:プラットフォームの固定
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ジブ(アーム)とバスケットが格納位置にあることを確認します
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バスケットはナイロンストラップを使って、ガイドと並行に固定します
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アームを下に押しすぎないよう注意しながら固定します
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ナイロンストラップの反対側には、フォームやゴム、木材などの緩衝材を配置してバスケットを保護します
ステップ3:シャーシ(車体)の固定
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適正荷重に対応したチェーンを使用します
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最低でも6本のチェーンで固定すること
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チェーンによる車体や塗装へのダメージを防ぐために、結束の調整を行います
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図解については、オペレーターマニュアルの「輸送手順」セクションを参照してください
公道での積み降ろし作業時の注意点
高所作業車(MEWP)を公道で積み降ろしする場合は、作業者や通行人の安全を確保するため、必要な対策を講じることが義務となります。以下はその一例です:
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カラーコーンやセーフティテープの設置
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反射材付きの服を着た誘導員の配置
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旗を持って周囲や車両に機械の存在を知らせる作業員の配置
詳細は、ISO 18893:2014(モバイル式高所作業台の安全原則、点検、保守、操作―6.8.3項「公道での移動および輸送」)を参照してください。
夜間・暗所での積み降ろしをサポートする「Haulotte Activ’Lighting System」Haulotteでは、夜間や視界の悪い条件下での安全な作業を支援するため、Activ'Lighting Systemを開発しました。このシステムは、マシン周囲の地面や、上部・下部の操作パネル、ホイール、カウンターウェイト後部などを照らすLEDライトを戦略的に配置しています。これにより、作業者の視認性が向上し、周囲への安全性も高まります。
2024年導入:「トランスポートハンドル」で積み降ろしがより安全に 。2024年に導入された**Haulotte独自の「トランスポートハンドル」**は、作業車の積み降ろしをより安全かつ効率的に行うための装置です。マシンをトレーラー上に配置する際、作業者はハンドルをしっかり握りながら、片手でアクティベーションボタンを操作できます。このボタンはハンドルに人間工学的に統合されており、もう一方の手でアームやバスケットの操作が可能です。
高所作業車の吊り上げ(クレーン作業)にも安全ルールを厳守する必要があります。 参考動画:

作業者に求められる資質
高所作業車を使用するには、特定のルールを遵守する必要があります。人の安全を確保することが最優先であり、作業者は適切な訓練を受けた上で操作しなければなりません。高所作業車を操作できるのは、訓練を受けた認定者に限られており、以下のような基準を満たす必要があります:
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**ANSI(アメリカ国家規格協会)**が承認する基準(北米の場合)
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または IPAF(国際高所作業車連盟) によって発行される免許証(PALカード:Powered Access Licence)
このIPAF PALカードは、国際的に最も広く認知されている訓練証明書であり、5年ごとに更新が必要です。
操作訓練だけでなく「現場の安全ブリーフィング」も重要
高所作業車の操作方法をオペレーターに訓練することに加えて、**作業チーム全体への事前説明(ブリーフィング)**も不可欠です。
以下のような現場特有の制約や危険因子について情報を共有することが、安全でスムーズな作業の鍵となります:
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現場の構造や地形
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気象条件の変化(風・雨・温度など)
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移動する人、荷物、機械などの周囲状況の変化
このように、変化する状況を事前に想定し、計画的に対応することが、事故を未然に防ぐ大きなポイントです。
免許制度に関する詳細は、以下の解説記事をご覧ください:「プラットフォーム免許:知っておくべきすべてのこと」
高所作業車を安全に操作するには、どのような手順が必要ですか?
高所作業車を安全に操作するためには、以下のステップを厳守する必要があります。
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使用前点検を徹底する
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機体に破損やオイル漏れがないか目視で確認します。
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オイル・燃料の量、バッテリーの状態、タイヤの摩耗もチェックします。
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作業エリアを確認し、安全を確保する
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作業場所に障害物がないか確認します。
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地面が機械の重量に耐えられるかをチェックし、必要に応じてエリアをマーキングします。
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安全ハーネスを着用し、指定されたアンカーに固定する
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ヘルメットやゴーグルなど、必要な保護具も必ず装着します。
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作業台に乗り込み、扉やバーをしっかり閉じる
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エンジンを起動し、各動作・操作が正常に行えるかを確認する
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ジョイスティックでプラットフォームを移動し、所定の位置へ安全に移動する
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急な動作は避けてください。
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作業中はプラットフォーム内に留まり、無理な動きや揺れを避ける
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下降時は下に人がいないか周囲を確認する
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プラットフォームを地上に戻し、エンジンを停止。キーを抜き、安全ロックをすべて解除する
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機体に貼付された QRコード をスキャンするだけで使用可能
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スキャンした機体の シリアル番号に基づいた専用情報やチェックリストにアクセスできる
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機体の操作を理解しやすくするために、操作説明動画やインタラクティブなコンテンツを提供
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初めてその機種を扱う作業者でも、免許取得者であれば、簡単な手順で安心して操作可能
MyCompanionは、オペレーターが機械に精通し、安全に効率よく作業できるようサポートします。
高所作業車ではハーネスの着用は義務ですか?
ハーネスの着用義務は、使用する高所作業車(MEWP)のタイプによって異なります。
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ブーム型高所作業車(静止型1bまたは可動型3b)では、墜落防止のために短いランヤードやエネルギー吸収タイプのハーネスの着用が推奨されます。
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垂直マスト(静止型1aまたは可動型3a)では、ハーネスの着用は原則として義務ではありませんが、現地法規により必要な場合があります。
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例外的な状況(例:水上での作業)では、ハーネスまたはライフジャケットの適切性を判断するためにリスクアセスメントが必要です。
製造メーカーとして、Haulotte(ホロット)は、高所作業車の種類に関わらずハーネスの使用を推奨しています。これは、作業者の安全を最大限に確保するためです。
北米では? 北米では、現行の規制や使用条件に応じて、安全ハーネスの着用はほぼ義務化されています。これはOSHA(労働安全衛生局)や地元の安全当局の基準に基づいています。
一般的な原則:
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ハーネスとアンカーポイント
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メーカーの指示やリスクアセスメントに基づき、プラットフォームに設けられたアンカーポイントにハーネスを固定しなければなりません。
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万が一の転倒や衝撃からオペレーターを守るために重要です。
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リスクアセスメント
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A 機械使用前にリスク評価を実施し、転倒の可能性がある場合はハーネスの着用が不可欠です。
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INRS(フランス労働衛生研究所)の勧告
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シザーリフトでは、連続したガードレールが設置されている場合、ハーネスの着用は必須でないことがあります。
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しかし、屈伸や直伸式のブーム型では、ハーネスの着用がほぼ必須です。
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事業主の責任
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企業や雇用主には、作業者の安全確保義務があり、必要に応じてハーネスなどのPPE(個人用保護具)を提供しなければなりません。
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違反した場合の制裁:
ハーネスの着用義務があるかを判断するには、以下を確認することが重要です:
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機械の取扱説明書(メーカーガイドライン)
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リスクアセスメントの結果
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現地の法令や業界のベストプラクティス
詳細は、OSHAおよびANSIの高所作業に関する安全基準をご確認ください。
2025年、Haulotteは「FASTN(ファスティン)」を発表しました。「FASTN」は、オペレーターの安全を確保するために開発された、世界初のコネクテッド型・汎用型墜落防止システムです。特徴:
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ハーネス着用の習慣(アンカリング・リフレックス)を強化
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現場の安全性をデータにより可視化・最適化
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さまざまな機種に対応可能なユニバーサル設計で、設置も簡単
FASTNは、自動車のシートベルトのようにオペレーターが自然とハーネスを固定する行動を促進し、高所作業中の事故の主因である落下リスクを大幅に低減します。また、作業中のあらゆる動作を記録し、作業現場における安全習慣の評価を支援します。このデータは、ターゲットを絞った安全啓発キャンペーンやリスク分析にも役立てられます。
高所作業車は傾斜地で使用できますか?
はい、高所作業車は傾斜地での使用が可能ですが、オペレーターの安全を確保し事故を防ぐために、厳格な条件の下で行う必要があります。以下のポイントを必ず守ってください。
メーカーの指示
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各プラットフォームモデルには、メーカーが定めた最大傾斜角度(度数または%表示)が存在します。
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これは、取扱説明書やデータプレートに記載されています。
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傾斜がこの限界を超える場合は、不安定になるため高所作業車の操作は禁止されています。
補正・調整システム
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一部のプラットフォームには、安定シリンダーや傾斜センサーなどの自動安定化システムが搭載されており、
シャーシをある程度水平に保つことが可能です。
リスクアセスメント
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傾斜地で作業する前にリスク評価を必ず行い、以下を検討してください:
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地盤の状態(グリップ力、安定性、崩落の危険性)
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積載荷重(作業者および工具の重量)
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天候条件(雨風、滑りやすい地面)
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安全規則の遵守
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転倒防止のため、機械の走行速度を調整してください。
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傾斜と他の危険要素(穴や谷の縁の近くなど)が組み合わさっている場合は、使用しないでください。
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プラットフォームの過積載は不安定リスクを高めるため絶対に避けてください。
内蔵安全機能
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近代的な機械には傾斜センサーが装備されていることが多く、
傾斜が過度に大きい場合は、転倒防止のため機械の作動を停止します。
迷ったら
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傾斜角度を超える場合近い場合は、不整地対応の機械(例えば、全天候型高所作業車)を使用することを推奨します。
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適切なアドバイスを得るために、資格を持つ技術者やメーカーのサービス部門に相談してください。
結論として、傾斜地での高所作業車の使用は可能ですが、必ずメーカーの制限や指示、リスクアセスメントを厳守する必要があります。軽率な対応は重大な事故につながる恐れがあります。